フードバンクの周辺2015②・・不安定な仕事。「溜め」がない暮らし。

家族連れ(イメージ)写真と文は関係ありません。
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◆病気失業し、派遣を転々 

40代後半のKさん。小学低学年の長男を頭に、子ども5人の7人家族。夫は前派遣先で怪我をして2か月休んだため、職を失い、新しい派遣先で働き始めたばかり。給料が入るまでのつなぎぎで食品を提供してほしいと相談があった。

 収入は夫がまともに働いて1か月15万、子ども手当は6万、妻のパートが5万弱円、合計26万円くらい。1歳と2歳と小学生3人は、一人が風邪をひけばみんなに伝染する。そのため母のパートも休みがち。まともに働きに出た月は少ない。ようやく夫は働き始めたが今回も派遣。仕事を転々としているので生活の安定が非常に難しい。まだ子どもが小さいので、何とかやりくりをして生活をしている。

◆子育て中、パート収入も安定せず

 Kさんは30代後半で出産した。高齢出産のうえ、5人の出産は身体的にかなりの負担がある。しっかり屋さんだけに、愚痴もこぼさず子育てしている。幼稚園では若いママの中になかなか交われなくて、ほとんど挨拶程度の関係のようだ。夫は運転免許更新を忘れていて失効中。そのため、夫の職場へ送迎もしている。

 Kさんはまだ自力で生活しようとしている。一朝一夕に改善するのは難しいだろうが、まず派遣でない働き方を考えてほしいと思う。収入が不安定な人たちも困窮に陥る。実家がある、貯金がある、友人が沢山いるなどの「溜め」が少ない人たちが大変な生活に陥りやすい。

◆一人親家庭の応援

 フードバンク宇都宮では、学齢期の一人親家庭向けの米支援を始めた。生保受給しないで一人親で頑張っている家庭に、1か月6,000円程度の米を届ける仕組みだ。1人親家庭は、昼、夜働いていることもが多く、子どもは夜一人で夕飯を食べている。そんな家庭に個人が声をかけるのはためらわれるし、親も非常に警戒する。Vネットみたいな団体が間に入って、食料を提供したり、とにかく親を孤立させないことが重要かなと日々思っています。

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